おおたじゅんこさんからの頂き物

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「ねぇ、遠野君」
 ん? とこっちを向いた遠野君の頬に私の人差し指がぷっと当たる。
「……オコサマ」
 遠野君はそう言うと、また前を向いてしまった。
 今日は2人で映画を見て、その帰りに雨宿りと称してコーヒーショップに寄っていた。
 夏の不安定なお天気は、午前中だけでなく午後にもまた雨を降らせていて、 私たちは晴れた空から大粒の雨が落ちてくるさまを、窓に面したカウンター席に並んで座り眺めていたのだ。
 雨粒が勢いよく地面を跳ね上がる様子が楽しい。
「あらら。オコサマはどっちなのかな」
 私はそう言うと窓の向こうの景色から、窓にうっすらと映る自分たちの姿に視線を移して「この人で〜す」と遠野君のことを指した。
 すると遠野君は、ぱくりと私の指を口にくわえてきた。
「や、やだ。なによ」
 びっくりして、さっと指を抜く。
「ふん、オコサマ」
 遠野君が私に壁を作るみたいに右肘をついてきた。




鹿の子 作「COTTON 100%」より
 

おおた じゅんこさんからいただいた、「COTTON 100%」のイラストです!
この物語は自作小説のパロディとして書いた、佐倉港と遠野みさこの恋愛物語でした。
そしておおたさんが描いてくださったのは、その中の遠野と由宇のシーンです。
仲良しさんのシーンを描いてもらって、遠野も嬉しいだろうと思います。
おおたさん、ありがとうございます♪
そして、混乱としかいいようがないこの物語を読んで下って、ありがとうございました〜〜


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