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Copyright (C)おおたじゅんこ パッ。 目の前の世界が、光を取り戻した。 急な眩しさに、目が潰れてしまいそうだった。 ペタペタという足音がまだ聞こえた。 お礼も言っていない。 助けてもらったのに、私はまだお礼も言っていなかった。 えいっと無理やり開いた私の目には、男子更衣室に消えていく一人の華奢な男の子後ろ姿が映った。 『森田 臣』 1つの名まえが、私の頭に浮かんで消えた。 鹿の子 作「碧水の中の魚たち」より
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